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ロンドン

05 25, 2010 | イギリス

7 Comments
ロンドン

 ドイツ最後の日、その日は一日中雨が降り続いていた。朝起きてから、夜、夜行バスに乗るまで雨が降り続いていた。
 ドイツでは、あまり天気に恵まれなかった。少し残念ではあるが、それも仕方がないことだ。

 夜行バスに乗り、僕はフランスのパリへと向かった。バスは空いていて快適な時間を過ごせそうだ。僕が、席を二つ使い上手に寝ている所に、急に水が滴り落ちてきた。何かと思ったら、エアコンの所から雨漏りだ。
 それからしばらく様子を見るが、水が落ちてくる気配がない。僕は何かの間違いかと思い、もう一度睡眠に突入しようとする。
 少しうとうとした辺りで、またもや水が滴り、くるぶしに直撃した。冷たさに、僕は静かに跳ね起きた。そして、仕方なく席を変えて眠りに着いた。
 外の雨は止む気配もなく、バスの窓に強く打ちつけてる。

 朝6時半。フランスのパリに到着した。外は雲ひとつない快晴だ。僕はその日の14時のバスでイギリスへと向かう。
 持て余した時間を有意義に使うために、僕はパリの街へと繰り出した。取りあえず荷物を預けたくて、ロッカーを探す。地下鉄に乗り、少し大きめの駅で降りる。ロッカーが見当たらない。歩いて次の大きい駅を目指した。
 歩けど歩けど、ロッカーが見当たらない。僕は、半ば諦めて、のんびり休憩を繰り返しながら、進むことにした。荷物は重く、太陽の日が強い。シャンゼリゼ通りを、ヒーヒー言いながら無様な姿で通る。
 
ロンドン (1)
パリ
ロンドン

 疲れ切った僕は、早々にバス停に戻り、そこで休憩を兼ねてバスを待った。
 一時間前に、チェックインが始まり、長蛇の列が出来ている。列に並び、チェックインを済まし、バスへと向かった。僕は最初の方にチェックインしたつもりだった。しかし、バスに乗るときに後ろを振り返ると、数人いるだけだった。みんな、順番を抜かすのがとても上手い、と感心した。

 バスに乗り、僕は無事窓側の席を取ることが出来た。しかし、安息も束の間だった。前に座る黒人がリクライニングをこれでもかと、最大まで下げてきた。仕方なく、僕は通路側の席に移る。席を下げ過ぎて、時折前後の席で目が合いそうになる。僕は、急いで目をそらした。

ronndonn.jpg
・・・。

 窓から流れる景色は美しく、パリから2時間程走った所で、沢山の風車が見えた。僕は写真を撮影しようかと悩み、止めた。窓側の席が酷く遠く感じたのだ。
 ドーバー海峡の見える街で、イミグレーションを超える。フランスから出るのは、簡単だ。イギリスに入るのは難しい。
 根掘り葉掘り検査官に問いただされる。僕は、ライオンに睨まれた子羊のように、萎縮しながら質問に答えていく。
 僕は、本当に弱虫だ。

 なんとか、ハンコのガチャン、という音が聞こえた時は、本当にホッとした。無事にイギリスに入国することが出来た。

 そこから、バスはコンテナに詰め込まれた。40分程止まっていたかと思うと、イギリスに到着していた。きっと、列車に運んでもらったのだろう。夜の8時過ぎにようやく、ロンドンに到着した。

 翌日、ロンドン観光に出掛けた。バッキンガム宮殿を眺めて、衛兵の交代式をちらりと見た。鼓笛隊の音に合わせて、赤い制服を着て、頭がもさもさの人が行進をしている。それを見ようとすごい数の人が、行列を作って、あらゆる場所から眺めていた。

ロンドン (4)
バッキンガム前
ロンドン (5)
頭モコモコ
 
 僕は、太陽の日差しを避けるように、公園の木の下に大の字に寝転がった。遠くでは、まだ鼓笛隊の太鼓の音が鳴っている。
 その後、世界の基準となる時計、ビッグベンへと向かった。

ロンドン (7)
ビッグベン

 それ以外の時間は、長い間公園で過ごしていた。この日もロンドンは日差しが強く、とても暑い。それから逃げるように、僕は公園の大きな木の下で休憩を繰りかした。ロンドンは人も多く、すぐに疲れてしまう。木陰で過ごす時間は、涼しくて、とてもいい。
 暑さに弱い、というのは、旅行者にとって、きっと致命的なことだ。僕はそれを最近痛感している。これじゃあ、寒さに弱い、白クマだ。暑さに弱いラクダだ。

ロンドン (6)

 大きい木の下で、僕は花を見ながら胡坐をかいていた。最近、命について考えることがある。いつかのブログで僕は、「涙は、思い出、なんだな」と書いたことがある。インドで泣いている少女を見たときの話だ。
 僕は最近、生まれ変わりについての小説を読んだ。その話では、主人公の妻が亡くなってしまう。僕はそういう時、必要以上の涙があふれ出る。
 
 僕にとって、生まれ変わりというのは、どちらでもいい。あっても、なくても、どちらでも。こんなことを言うと、それを信じて止まない人々に怒られてしまうかもしれない。それでも、僕にとっては、どちらでもいい。
 僕が、いや人が人の死を思う時に涙が出るのは、その人への感謝や思い出や色んな事が涙になって、出てくるのだと、そう思う。ただ、僕はもしかしたら、僕たちは自分が死んだことがあるから、それを魂が覚えているから、人の死に敏感なんじゃないか、なんて考える。でも、もし死ぬことが、とても幸せなことなら、人は、何かの死をそこまで、悲しまないのかもしれない。じゃあ、結局なんなんだって。それは、どっちでもいいんだ。僕は、今、生きているから。この白い、名前も知らない花と同じように。

 しばらく、木陰で休み、僕は「よし!」と決心し、宿へと向かった。

ロンドン (3)


 それでは、皆さん良い日々を!
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